VIENNA neu

“VIENNA neu”とは、19世紀前半にドイツ、オーストリアを中心に広まったビーダーマイヤー様式と、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンで興ったユーゲント・シュティールがそのデザインの源です。ビーダーマイヤー様式は、それまで貴族の間で流行していた、アンピール様式に代表される権威主義的で装飾過多な様式とは一線を画し、新興ブルジョアジー達にもてはやされた、遠く近代デザインを予感させる、よりシンプルなクラシック・スタイルです。またユーゲント・シュティールは、オットー・ワグナーやヨゼフ・ホフマンといった建築家が牽引するモダンデザインへの流れであり、それはインテリアや家具、工芸、ファブリックにまで至る総合的なデザイン・ムーヴメントです。これらのデザインは、それまでの古典様式からの脱却とも、或いはモダニズムへの第一歩とも取れる不思議な魅力を携えています。“VIENNA neu”は、これらの遺産をベースとし、過渡期における曖昧さが魅力を放つ、現代のクラシック・フォルムへと新しく変化をしていきます。